- ー 症状
- (1)肉眼的血尿
- 初発症状で最も多いのが肉眼的血尿です。その後数日で自然に血尿は消失しますが、再び血尿が出現します。尿管が腫瘍や血液で閉塞した場合には腰痛や背部痛が見られることもあります。また近年では健康診断などにて症状が見られず偶然発見されることも多くなっています。
- ー 検査・診断
- 血尿が見られた場合にはまず膀胱鏡検査を行います。膀胱がんと腎盂・尿管がんは同じ移行上皮がんですが、膀胱腫瘍の頻度がきわめて高いために膀胱がんの有無を確認します。尿の細胞診断検査は膀胱がんと同様に有用な検査です。さらに腹部エコー検査や排泄性尿路造影検査などをさらに行います。これらの検査で腫瘍の位置や大きさをはっきりと確認出来ない場合には逆行性尿路造影を行います。さらにCT検査やMRI検査などを行いがんの広がりや転移の有無を確認します。
- ー 治療
- (1)外科的治療
- 診断した時点で周囲への広がってなく転移が見られない場合は外科的治療を行います。
腎盂・尿管がんは多中心性発生といって同時に複数個所に腫瘍が見られることがあるためにがんのある方の腎盂を含めた腎臓と尿管をすべて摘出します。また尿管が膀胱とつながる部位まで含めて取り除きます。これを腎尿管全摘除・膀胱部分切除術といいます。
尿管がんにおいて異型度が低くなおかつ単発で小さな腫瘍の場合には、温存治療として経尿道的レーザー腫瘍切除術を行う場合もあります。 - (2)放射線療法
- 腎盂・尿管腫瘍は放射線感受性が低いために主に手術困難症例やがんの転移部位に対して行われます。がんを小さくする効果はあまりありません。
- (3)化学療法（抗がん剤治療）
- がんが周囲に広がっている場合にはまず化学療法を行います。がんが小さくなって手術を行うことと