密封小線源永久挿入療法
ー密封小線源永久挿入療法
これは前立腺組織内に密封小線源(金属カプセルに入った低線量の放射性物質)を永久に留置して前立腺がんを治療する方法(ブラキセラピー)で、限局性の前立腺癌においてのみ施行可能です。副作用が比較的少なく、治療効果が高いことから近年注目を浴びています。この治療は前立腺組織内に線源を留置するため直腸など周囲組織への放射線も限定されており直腸障害も少なく、短期入院で済むなどの利点があげられます。放射線治療の一種である以上、放射線による副作用が全くないわけではありません。また、治療効果も前立腺全摘手術とほぼ同等と考えられています。日本では2003年3月にようやくヨード125線源の永久留置が医療法上認可され、2003年7月からこの治療が施行可能になりました。当院では2007年3月から開始しております。 この治療はすべての前立腺がんに対して可能な治療法ではなく、前立腺が大きい場合など、治療が行えない場合もあります。また、この治療は前立腺周囲の照射量は少ないため、癌が前立腺の周囲までおよんでいた場合(被膜外浸潤や精嚢浸潤)は十分な治療効果が期待できません。骨やリンパ節などの他の臓器に転移を認める場合は転移巣に効果がないため治療の対象になりません。したがって、前立腺の中だけにとどまっている癌(早期前立腺癌)がこの治療の対象になります。
この治療法の長所
放射線障害が起こりにくい
尿失禁が起こりにくい
性機能障害が起こりにくい
入院期間が4泊5日と短い
ー治療の流れ
術前治療計画(プレプラン)
治療前2~4週間 治療室で前立腺の体積・形をチェックし、治療計画を立てます。 この時に治療日程を決めます。家族の方と来院して頂き、治療の説明を行います。
入院
治療
水曜日の午後からの治療です。(約2~3時間)
治療直後評価
木曜日の午後からCTまたはMRIを撮影します。退院後の注意事項を説明します。家族の方も来院して頂きます。
退院
金曜日の退院となります。
術後治療計画(ポストプラン)
治療後1ヶ月後
CT・MRIなどを撮影して評価します。
その後も定期的な受診が必要となります。
ースタッフ
名切 信 医師
築井 克聡 医師
林 秀一郎 医師